今回のテーマは「年上部下やベテラン社員の活かし方」です。
最近、こんな声をよく耳にします。
- 「年上の部下にどう接すればいいのか悩んでいる」
- 「ベテラン社員が若手とうまく馴染めない」
- 「プライドが高くて扱いづらい」――
ただ、これをベテラン社員の立場から見てみると
- 「年下の上司とどう接したらいいのか分からない」
- 「若手の考えていることが分からない」
- 「もっと活躍の場が欲しい」
と悩んでいるのかもしれません。お互いの不満をぶつけ合うだけでは問題は解決しません。
どうしたら、ベテラン社員を活かせるのか?今回も、いつもの【情熱課長と吉田部長】の対話を通じて、ベテラン社員の“本当の気持ち”に光を当てながら、現場に活かすための視点や言葉がけのヒントをお届けします。
登場人物
情熱課長: 部下の成長を願う熱血課長
吉田部長: 人材育成のベテラン、冷静沈着な部長
なぜ、誤解が生まれるのか?

部長、ちょっと相談がありまして…。ウチのチームにいる年上のベテラン社員Aさんなんですが、指示しても反応が鈍くて…。正直、やる気があるのかないのか分からないんです。
そうなんだね、情熱課長にはそう思えるんだね。でも、もしかしたら“やる気がない”んじゃなくて、“どう動いたらいいのか分からない”だけかもしれないよ。
えっ、そんなことあるんですか?だって、経験もスキルもあるのに、なぜ今さら“分からない”なんですか?
私も同じ年齢だからAさんの気持ちが分かるなー。年下の上司と、どう接したらいいのか悩んでいるのかもしれない。また、情熱課長のお手並み拝見として様子を見ているのかもしれない。
えっ、そうなんですか!様子を見られていると思うと、ちょっと汗が出てきました。
誰でも活躍したいと思っている・・・

ただ、人ってね、誰でも“役に立ちたい”って思ってる。特に、長く現場で頑張ってきた人ほど、「自分はまだ戦力になれるはずだ」って気持ちがあるはずだ。
たしかに…。Aさんも、昔は頼れる存在でした。でも今は、自分からはあまり関わってこないし…。
そんな時、上司から
それはね、「どう関わったらいいか分からない」だけかもしれない。年齢を重ねると、ちょっとのことでプライドが傷つくこともあるし、若手にどう話しかけたらいいか悩んでる人も多い。
無意識に活躍の場を奪っていないだろうか?

なるほど… でも、自分から動いてくれないと、正直扱いづらいなって思っちゃいます。
情熱課長、その気持ちもわかるよ。でもね、リーダーの仕事はチームの目標を達成すること。そのために、メンバーが自分の力を最大限に発揮できるようにしてあげることじゃないかな。
確かに、そうですね。
そのためにも、Aさんを責めたり孤立させたりするのではなく、“どう活躍してもらえるか”を考えることが大事だと思うんだ。
たとえば、「この件はAさんの経験が一番活きると思うんです。お願いできますか?」と、“貢献の場”を用意してみたらどうだろうか?
そうですね…。無意識に、貢献させないようにしていたのかもしれません。「貢献の場を用意する」という視点が抜けていました。頼ることを忘れていたのかもしれません。
期待を伝える

たとえば、こんな風に
「Aさんの経験が、この場面ではすごく頼りになると思ってるんです」
「正直、若手にはまだ見えていないところを、Aさんにサポートしてほしいんです」
「Aさんなら、どう判断されるか聞かせてもらえませんか?」
これを聞いたAさんは、信頼されているな、頼られているな、と感じることができ、眠っていた貢献欲求が呼び起こされる。
そうですね、私は頼むことを忘れ、全部自分でやろうとしていました。気づけば、Aさんの活躍の場は、たくさんありますね。
そう、全部自分でやろうとしているとAさんの良いところも見えなくなってしまう。リーダーとしてやるべきことは、メンバーに貢献の場を提供することだ。
できていませんでした!
役割を渡す

大丈夫。気づけば前に進める。その上で、こんな風に頼んでみるといいよ。
「今回、若手の指導役をAさんにお願いできないでしょうか?」
「Aさんのように現場を知っている人に、進め方を一緒に考えてもらいたいです」
なるほど、具体的にやって欲しいことをお願いすればいいんですね。
部下のやる気を引き出すのは、上司の正解を押し付けることではなく、部下の今の状態への共感から始まる。焦らず、部下の考えを聞きながら伴走していこう。
活躍を認め、伝える

そうそう、様子を見ながら進捗の確認をして
「あの時Aさんが言ってくれたこと、助けになってます」
「Aさんが黙って支えてくれてるの、わかっていますよ」
なんて言えると最高だね。Aさんは、自分が役に立っていることが自覚できてさらに活躍しようとする。
そうすれば、Aさんは「過去の人」ではなく、組織の“底力”になりますね。
私も長いサラリーマン生活をして感じているのは、誰もが心の奥では、「役に立ちたい」「経験を活かしたい」「仲間の力になりたい」と願っていることだ。ただ、それをどう職場で活かしたらいいのか分からない人が多い。
だから、リーダーの関わり方ひとつで、“動かない存在”と思われていた人が、“頼れる味方”に変わることもあるんですね。

今回の質問
そうだね、その第一歩は、「どうすればこの人が力を発揮できるか?」と一段視座を上げて考えることだ。
次回予告
変化を嫌うベテラン社員に、どう向き合えばいいのか?
次回に続けます。お楽しみに!!









