前回は、言葉は不完全であり、人それぞれ言葉に対する認識が違うため、上司が伝えたつもりでも正確に伝わるとは限らないことをお伝えしました。だからこそ、認識のズレを埋める対話が重要であるという内容でした。
今回はもう一歩踏み込んで、「上司の態度は、言葉以上に部下に伝わっている」ことに焦点を当て、どんな態度が上司としてふさわしいのかを、いつもの“情熱課長”と“吉田部長”の対話で一緒に考えていきましょう。
登場人物
情熱課長: 部下の成長を願う熱血課長
吉田部長: 人材育成のベテラン、冷静沈着な部長
言葉と態度のギャップ

吉田部長、言葉ってやっぱり思ったようには伝わらないですね。
そこに気づけば、一歩前進だよ。多くの上司は、伝わっていないことにすら気づいていないからね。
一歩前進ですね。嬉しいです。
その気づきを踏まえて思い出してほしい。情熱課長が部下だった頃、上司の言葉と行動にギャップを感じたことはないかな?
ありましたね。「時間を守りなさい」と言いながら、会議に遅れてくる上司にはモヤモヤしました。
だろう? 上司の態度は、部下に思っている以上に影響を与えているんだ。
そうですね。 「報連相が大事」って言っておきながら、報告しに行っても「あとで」と流されると、報告する気がなくなりますよね。
「自分で考えて動け」と言いながら、動いたら「勝手なことをするな」と怒る。これも典型的なギャップだ。
ほんとですね…。言葉より、態度の方がずっと影響力があるんですね。
上司の態度が言葉を超える

そう。上司の態度は、無言のメッセージなんだ。日々の行動の一貫性を部下はしっかり見ているよ。
たしかに…たとえば「チームワークが大事」と言いながら、他部署の相談にはそっけない態度だったら、部下も同じように冷たくなってしまうかもしれませんね。
その通り。逆に、上司が忙しい中でも「どうした?」と耳を傾けている姿を見れば、部下も自然と協力的になるものだよ。
そういえば最近、私が新しいプロジェクトにチャレンジしているのを見て、部下が「自分もやってみようかな」と言ってきたことがありました。
いいね。それがまさに“行動で示すリーダーシップ”だ。部下は、上司の口先より“どんなふうに向き合ってくれるか”をよく見ているからね。
たしかに、言葉も大事だと思いますが、それ以上に上司の態度が、若手には伝わりやすいかもしれませんね。
いい気づきだ。「言葉以上に、自分の在り方(態度)が伝わっている」そう自覚できるリーダーになれば、黙ってでも部下はついてきたくなるよ。

情熱課長の学び
- 言葉以上に、態度が部下に伝わる
- 伝えていることと、自分の態度が一致しているかを見直そう
- 上司の態度が、部下の行動に影響を与える
今回の質問
「部下に言っていること、自分の態度と一致していますか?」
次回は、「部下が話したくなる上司の聞き方」について考えていきます。









