春の訪れとともに、新しい年度が始まります。新しいメンバー、新しい役割、新しい期待。
一方で、こんな声も多く聞こえてきます。何度教えても、同じミスを繰り返してしまう…。ちゃんと指導しているつもりなのに、なぜ伝わらないのか…。
育てたいという思いがあるからこそ、もどかしさを感じる。今回は、そんな新年度の現場で起こりがちな悩みをテーマに、リーダーとしての関わり方を一緒に考えてみたいと思います。
いつものように、情熱課長と吉田部長の対話からお伝えします。
登場人物
情熱課長: 部下の成長を願う熱血課長
吉田部長: 人材育成のベテラン、冷静沈着な部長
目次
▶ 悩むのは、向き合っている証拠
▶ 問いを変えると、見方が変わる
▶ できているところが見え始める
▶ 新年度は、リーダーが成長できるチャンス
▶ 今回の問いかけ
悩むのは、向き合っている証拠

部長、ちょっといいですか…。
新しく配属されたメンバーなんですが、何度教えても同じミスを繰り返すんです。
ちゃんと伝えているつもりなんですが、なかなか伝わらなくて…。正直、どう関わればいいのか悩んでいます。
なるほど。新年度らしい悩みだね。
でも、その悩みが出ているということは、育てたいと思っている証拠だ。
そう言っていただけると少し救われますが…。
ただ、何度も同じ説明をしていると、どうしてできないんだ、という気持ちが出てしまって…。
問いを変えると、見方が変わる

その気持ち、よく分かるよ。
でもね、そんなときは問いを変えてみるといい。
『なぜ、できないんだ?』ではなく、『この部下の中で、何が起きているんだろう?』と。
えっ、そんなこと考えたこともありませんでした(汗)。
上司は無意識に『なぜできないんだ!?』と問いかけている。
すると、できていないところばかりに目がいって、メンバーの本当の状態が見えなくなってしまうんだ。
うーん…それをやっているかもしれません(汗)。
できていないところばかりを探しているかもしれません。
そうか…。『部下の中で何が起きているのか』と考えるのか。
例えばだ。
自信が持てないのかもしれない。失敗が怖いのかもしれない。そもそも、指示の意味が十分に理解できていないのかもしれない。
状態が見えなくなってしまうんだ。
確かに…。
そこまで考えたことはなかったです。
大事なことは、正解を当てることじゃない。どうなっているのかを想像して関わることだ。
想像して関わる…ですか。
そうだ。
その状態で対話をしてみると、自分の見方も変わるし、メンバーの反応も変わってくる。
できているところが見え始める

なるほど…。
だから今まで、できていないところに目がいってしまっていたんですね。
そうだね。
だからこれからは意識的に、部下に何が起きているのかを想像しながら見てみよう。
すると、メンバーの本当の状態が見えてくる。
本当の状態…。
それが見えてくると、できているところにも自然と目が向くようになる。
そこで、「ここはできているね」と声をかけてあげる。
それだけで、メンバーは安心し、次の行動につながる。
そして、ここはできて欲しいと思うところがあれば、「ここができると、もっと良くなるよ」と伝える。
さらに、難しそうであれば、「そのために協力できることはある?」と支援する。
メンバーがやることと、上司が支えること。
ここを明確にすることも大切だ。
この関わりが、メンバーの成長を加速させる。
できていないところを指摘するだけでは、足りなかったんですね。
そうだね。
指摘だけでは、嫌々やる状態になりやすい。それでは納得していないから、成長にはつながりにくい。
新年度は、リーダーが成長できるチャンス

部長、少し見方が変わってきました。
部下の問題だと思っていましたが、自分の見方や関わり方を変えれば、できることがありそうです。
その気づきが一番大事だ。
新年度は、組織が変わるタイミングであると同時に、リーダー自身が成長できるチャンスでもある。
リーダーの成長できるチャンス…。
メンバーを変えようとする前に、リーダーの意識と関わり方を変えてみる。
それが結果として、メンバーの成長につながる。
まずは、『部下の中で何が起きているのか』を想像するところから、やってみます。
いいね。
その一歩が、情熱課長の成長であり、現場を変えていくはずだ。
今回の問いかけ
「部下の中に、今、何が起きているでしょうか。」
そして、その状態に、どのように関わっていますか。
次回もお楽しみに。
今回の名言
ものは見方によって
すべてが変わる
-荘子-
見えているものが
すべてではないと気づいたとき
相手の花が見えてきます。
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