前回は、部下の表面的な言動だけでなく、その背景にある気持ちや状態に関心を持つことで、何に躓いているのかが見えてくる、ということをお伝えしました。
今回はその続きとして、部下が躓きから立ち上がり、次に進むための、上司の「伝え方」と「関わり方」についてお伝えします。
いつものように、情熱課長と吉田部長の対話からお伝えします。
登場人物
情熱課長: 部下の成長を願う熱血課長
吉田部長: 人材育成のベテラン、冷静沈着な部長
目次
▶ 部下の状態に関心を持った、その先に必要なこと
▶ 「伝えた」と「伝わった」は違う
▶ 上司と部下のイメージを合わせる
▶ 部下の「違和感」に気づく
▶ 今回の問いかけ
部下の状態に関心を持った、その先に必要なこと

部長、この前教えていただいたように、部下の気持ちや状態に関心を持つようにしてみました。
すると、部下の笑顔が少し増えたような気がします。
ただ…それでも、思ったように動いてくれないんです。
なるほど。いい変化が起きているね。
ところで、情熱課長の「思った通り」とは、どんな状態かな。
私が教えた通りに動いてもらうこと…ですかね。
「伝えた」と「伝わった」は違う

なるほど。
では、どんな教え方をしているのかな
仕事のやり方を、こうしてくれと伝えていますが…。
上司はよく「伝えた」と言う。
でもな、「伝えた」と「伝わった」はまったく別物だ。
人は、ただ聞いただけでは動けない。
自分が動いているイメージが持てて、はじめて動ける。
つまり、そのイメージができたときが「伝わった」だね。
そんなこと、考えてもいませんでした…。
部下はイメージできているのかな(汗)
では、どう伝えればいいのでしょうか?
上司と部下のイメージを合わせる

ポイントはシンプルだ。
・何のためにやるのか
・何をやるのか
・どこまでやるのか
・いつまでにやるのか
・誰とやるのか
こうして、部下が目的を持って行動できるように伝えることだ。
なるほど…。
いつも大まかに伝えていました(汗)。
そしてもう一つ大事なことがある。
今回の仕事で「何がポイントだと思う?」と聞いてみるんだ。
ポイントを聞くんですか。
そうだ。
これによって、部下の理解度が見えるし、どこで躓きそうかも見えてくる。
確かに…。
そこまでは確認していませんでした。これなら、お互いのイメージも合ってきそうですね。
その通り。
このイメージ合わせが、認識のズレを減らし、その後の関わりをぐっと楽にしてくれる。
事前に躓きそうなところが分かれば、対策も一緒に考えられますね。
部下も安心して一歩踏み出せそうです。
部下の「違和感」に気づく

いいね。
そして、もう一つ大事なことがある。
それは、部下は上司に気をつかう、ということだ。
気をつかう、ですか?
例えばだ。
・分かっていなくても、分かったふりをする。
・無理なのに、大丈夫だと言う。
・うまくいっていなくても、順調ですと報告する。
こうした「忖度」が起きる。
えっ、それは困りますね…。
正直に言ってくれないと分からないじゃないですか。
自分が部下だった頃を思い出すと、どうかな(笑)。
多くの人が、無意識にそうしてしまうものなんだ。だからこそ、そのサインに気づくことが上司の役割なんだ。
サイン、ですか?
そうだ。例えば、
・視線が合わない
・表情が硬い
・返事のタイミングがズレている
こうした小さな違和感だ。
確かに…言われてみるとありますね。
でも、その違和感に気づいたら、どうすればいいのでしょうか。
焦らず、まずは話を聴くことだ。対話の中で、
・どこが分からないのか
・どこに無理があるのか
・どこに不安や恐れがあるのか
それを一緒に見つけていけばいい。
そこまでできるか、少し不安になってきました…。
大丈夫。
いつも言っているだろう。
まずは、そういう意識を持つことが大事なんだ。
そうか…。
その意識が、上司の関わり方や言動を変えるんですね。
やってみます。
今回の問いかけ
部下は、上司のあなたに対して、どんな「遠慮」を抱えているでしょうか。
そして、そのサインに、気づけているでしょうか。
次回もお楽しみに。
今回の名言
最も重要なことは、
言葉にならないものを聴くことである。
-ピーター・ドラッカー-
言葉の奥にある「言葉にならないサイン」に、気づいていきたいですね。
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