ゴールデンウイークも明け、新緑の季節になりましたね。多くのリーダーが「さあ、ギアを上げていこう!」と声をかけたくなるこの時期。ところが、その掛け声が、意外にも部下に響いていない……そんな違和感を抱いたことはありませんか?
読者のみなさんなら、こんな時メンバーにどんな声掛けをしていますか。
今回は、連休明けの“見えない変化”に気づくリーダーの関わり方を、情熱課長と吉田部長の対話を通して考えていきましょう
登場人物
情熱課長: 部下の成長を願う熱血課長
吉田部長: 人材育成のベテラン、冷静沈着な部長
部下の気持ちは必ずしもリフレッシュされているわけではない

吉田部長、聞いてください。今日、朝礼で「さあ、ここからギアを上げていこう!」って気合い入れて話したんですが…
なんだか部下たち、ポカンとしていて……全然、元気がないんです。


そうかー、なんだか空回りしているようだね。情熱課長が若い頃、連休明けはどんな気持ちだったか思い出してごらん。
うーん…確かに“休みボケしてる場合じゃないぞ”って思いながら、妙に気持ちが空回りしてたような…周りにも気を使いながら、でもどこかモヤモヤしてた気がします。


そうだろう。実はね、連休明けって、リーダーにとっては“仕切り直し”の時期かもしれないけど、メンバーにとっては“見えない疲れ”が出やすいタイミングでもあるんだ。
たしかに、今年異動してきたメンバーもいるし、新人を支える立場になった人もいたな…。


そう。“4月を必死に走ってきた”その反動が、連休明けに出ることがあるんだ。
見た目には元気そうでも、がんばったのに結果が出ない、人間関係で気疲れした
、目標を見失った、そんなモヤモヤを抱えているメンバーもいるはずだ。
「がんばろう」より「どうだった?」と声をかけよう


そんなときに、「がんばろう」って言葉は、時に逆効果になることもある。大事なのは、「この1か月どうだった?」と耳を傾け、部下の状況を知ることなんだ。
なるほど…。そういえば「最近どう?」って聞く時間、取れてなかったかもしれません(汗)。


ちょっとした雑談でいいんだよ。「最近どう?」って声をかけるだけで、“自分のことを見守ってくれている”って安心感が生まれる。
「前に進め!」じゃなくて、「今どうなのか?」を聴く時期なんですね。

完璧主義なメンバーには“伸び代”を伝える


そうそう、そこに気が付いて欲しいね。
そういえば、自分に厳しくて“期待に応えられていない”と悩んでいるメンバーもいます。がんばってるのに、成果が出ていないことに落ち込んでいて…。


そういうメンバーには、「ここまでよくがんばったね」としっかり労いの言葉を伝えること。
そして、「まだできていないこと」は、「あなたの伸び代」として伝えてみよう。そうすれば、「自分はダメだ」じゃなくて、「ここから挑戦できる」と前を向けるようになる。
確かに。部下がこれまでがんばってきた努力に目を向ける余裕が、自分になかったかもしれません。

連休明けは今の状況を確認するタイミング


連休明けって、リーダーにとっては“仕切り直し”の時期かもしれないけど、メンバーにとっては“自分の今の状況”を整理したいタイミングかもしれない。
「この1か月、どうだったかな?」って、部下の状況や気持ちに目を向けてみよう。
そうですね。「がんばろう」と号令をかける前に、一人ひとりに「この1カ月どうだった?」と部下の状況や気持ちに目を向けてみます。


その上で、チームのこれからの方向性や役割を一緒に決めていけば、みんなも自然とついてきてくれるはずだよ。
ありがとうございます。相談して良かったです。また、やらかしてしまうところでした(笑)。

今回の質問
「メンバーは今、心身ともにどんな状態でしょうか?」
・表情や態度に変化はないでしょうか?
・不安や疲れは溜まっていないでしょうか?
次回は、“やる気が見えない部下”に対して、部下の状態別にどんな声かけや関わり方が有効なのかを一緒に考えていきます。
お楽しみに!

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